神経伝達物質とシナプスの進化論・要約

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2024July11

新川 俊一

1 脳には多くの脳細胞、ニューロンがある。

2 それぞれのニューロンは別のニューロンへとシナプス(間隙)でつながっている。

3 ニューロンでなされる情報の伝達は電気信号でなされるがシナプスだけは電気信号でなく神経伝達物質という別の物質がそれを担う。

4 神経伝達物質は100種類ほどあり、神経伝達物質の種類によって伝達される情報が異なる。

5 ひとつのニューロンからは原則1種類の神経伝達物質しかシナプス間隙に放出されない。

6 痛みに関する情報を伝達する神経伝達物質はカンナビノイドである。

7 愛情に関する情報を伝達する神経伝達物質はオキシトシンである。

8 行動に関する情報を伝達する神経伝達物質はドーパミンである。

9 他人の行動の情報を伝達する神経伝達物質はセロトニンである。

10 各神経伝達物質はもっと厳密にいうなら各シナプスは、興奮性シナプスと抑制性シナプスのどちらかに原則分けることができる。

11 興奮性シナプスとは伝達先のニューロンへの情報の伝達を促進するシナプスである。

12 抑制性シナプスとは伝達先のニューロンへの情報の伝達を抑えるシナプスである。

13 セロトニンが宿るシナプスは抑制性シナプスである。

14 ドーパミンが宿るシナプスは興奮性シナプスであるが、人によっては抑制性シナプスである。 ドーパミンが宿るシナプスが抑制性である人の性格をクレッチマーの性格分類の、粘着気質の性格という。

15 カンナビノイドが宿るシナプスが、子どもでは抑制性シナプスであるが、おとなでは興奮性シナプスであることはよく知られている。

16 オキシトシンが宿るシナプスは人間では興奮性シナプスだが、その他の動物では抑制性シナプスである。 これが人間と他の動物との違いである。 動物から人間への進化の過程でオキシトシンの宿るシナプスは抑制性から興奮性へと移動したと思われる。

17 ドーパミンを見てもカンナビノイドを見ても神経伝達物質の宿るシナプスは抑制性から興奮性へとたやすく変わることが分かる。 したがって、動物のオキシトシンが宿るシナプスを抑制性から興奮性へと変えればその動物の脳は人間の脳になる。


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